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試験結婚 [アン・メイザー]

SHALOCKMEMO1068
試験結婚 A Trial Marriage 1977」
アン・メイザー 須賀孝子





原題は「A Trial Marriage」で確かに「試験結婚」で間違いはないのでしょうが,いかにも直訳的で,この邦題はいただけないですね。確かに時代を感じさせる内容,雰囲気を持った作品ですが70年代に青春を過ごしたわれわれ世代であっても,こんな日本語はあるだろうか,と思いました。
さて,イギリスが舞台なのですが,両親を相次いで亡くしたレイチェル・レズリー18歳は,富裕な未亡人フォークナー・スチュアート夫人のコンパニオンとしてこき使われていました。気むずかしい相手ですが,両親を亡くして大学への進学資金を貯めるためにもがまんしてお相手を務めざるを得ません。そんな境遇の彼女ですが,自分を引き取ってくれた夫人への感謝の心ももっていました。トール・コート・ホテルのスイートに滞在中,最高級スイートに宿泊しているジェイク・アラン・コートネイ,41歳と出会います。初心なレイチェルはジェイクに一目ぼれしてしまいます。ジェイクは働き過ぎ症候群のため医者から6カ月間の療養が必要ということで,郊外の自分の経営するホテルに宿泊中でした。父チャールズからホテルの経営を引き継いだジェイクは,国内にとどまらず国際的なホテル・チェーン店を展開するためにペアマン・ホテル・グループの買収に取りかかり,契約を取り付ける寸前まで来ていましたが,しばらく仕事を休まざるを得ない状況まで悪化していたのでした。やつれて,時々疲れ切った表情を見せるジェイクをレイチェルは気遣う気持ちを持ってしまったのです。しかし,年の差23歳のカップルは誰の目から見てもうまくいくはずがないと思われています。さらにジェイクには別れた妻がおり,さらに試験結婚の提案を承諾してジェイクの両親の住むハーディ・ロンズデールの修道院跡の館に着いてみると,家政婦の娘シーラがジェイクを狙っている様子が見え見えです。二人の間に引き合う気持ちは強いものの,ときに信頼を失ってしまうような嫉妬の気持ちを持たざるを得ない状況が次々に起こります。結婚解消かと思われる事件はジェイクのアメリカ出張中に起こります。自分を引き取ってくれたフォークナー・スチュアート夫人が突然亡くなり,レイチェルは詳細を告げないまま葬儀のために一人ロンドンから出かけたのでした。しかしクリスマスの季節のイギリス。道路状況は悪く,途中で車は側溝に落ちてしまい,先に進むことができなくなってしまいました。結局葬儀に出られないままロンドンに帰ったレイチェルは,予定より早く帰朝したジェイクが,自分を心配し,さらにかつてホテルで自分に言い寄ったカールの元に向かったと誤解して,自分を追いかけたことを知ります。戻ったジェイクに難詰されるレイチェル。さあ,二人の関係はどうなるのでしょうか。
年の差カップルの物語ですが,幼な妻としてのレイチェルの素直で,でも夫に合わせようとちょっと背伸びしようとしては,失敗してしまう経験の少なさが何とも愛らしく初々しいヒロインとして描かれており,好感の持てる作品に仕上がっています。


タグ:プレゼンツ
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