SSブログ

不実なギリシア海運王 [ケイトリン・クルーズ]

SHALOCKMEMO1127
不実なギリシア海運王 Greek's Last Redemption
ホテル・チャッツフィールド 13) 2015」
ケイトリン・クルーズ 藤村華奈美





 このシリーズ第2シーズンはホテル・チャッツフィールドとハリントンホテルの確執からスタートして,世界各地の2大ホテルを舞台にするという共通点はありますが,登場人物たちは必ずしもチャッツフィールドやハリントンと関係のない人たちも多く登場してきます。本作では,ホリーとテオのツォウカトス夫妻の離婚騒動でスペイン,バルセロナのチャッツフィールド,ハリントンが舞台になります。ギリシア人のテオは父から事業を引き継ぎ,船舶会社「ツォウカトス・シッピング」を経営する億万長者ですが四年前に出会ってすぐに意気投合し結婚,しかし半年後にはホリーがテオの元を去り別居状態が続いてきました。テキサス出身のホリーとギリシア人のテオの情熱に満ちた半年間の結婚生活も互いの憎しみのうちに別れを告げ,ホリーはテオの預金から好きなだけカードでお金を引き出し,慈善事業につぎ込んでいます。そのホリーがテオにテレビ電話でテキサスから連絡を取ってきました。四年経ってギリシアの法律ではもう離婚が認められる時期だと・・・。テオはホリーを自由にさせたくなくて,自分の元を去った妻を罰するつもりで離婚はしないと言い張っています。なぜ不倫して自分の元を去り,好き勝手しているのか,どうしても妻の行動を理解できないでいるのです。3日後にバルセロナで会って話をしようということを提案し,テオは電話を切りますが,そこは二人が1カ月間の新婚旅行をした場所だったのです。テオに割り当てられたのはまさにチャッツフィールド・バルセロナの新婚用のスイートルーム。そしてホリーはハリントン・バルセロナに宿泊しているのです。ギリシアのサントリーニ島で出会い,夢のような日々を過ごした二人が角突き合わせて互いの胸の内,本音を探り合うためにこの場所にやってきたのです。結婚生活がうまくいかなかった両親を持つことでは二人は共通していました。そして両親の行動しかしらない二人が結婚生活をうまく生かせる方法を知らないことでも共通していたのです。実はホリーが不倫をしていたというのはホリーが考え出した嘘でした。しかし当時テオはその嘘をしっかり信じてしまい去って行くホリーを追いかけもせず,逆に他の女性との情事を数多くこなしていたのです。そのことを責められたテオはホリーに逆襲します。結局二人はまた理解できないまま,ホリーはテオの元を去ろうとします。しかしタクシーをUターンさせ,ホリーは今回は再びテオの元を訪ねるのでした。
 「僕らは出会ってすぐに結婚した。あまりにも早すぎたんだ。僕らは大人になりきれていなかった。どの夫婦も育っていくものだよ,ホリー。そうでないとやっていけない。」というテオの言葉が,長い年月をかけて始めて夫婦が理解し合えることを物語る大人のロマンス作品です。


タグ:ロマンス
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

恥知らずな求婚隠された愛の証 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。