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後見人に愛のソネットを [キャロル・モーティマー]

SHALOCKMEMO1243
後見人に愛のソネットを The Lady Forfeits
(3姉妹シリーズ 2) 2011」
キャロル・モーティマー 古沢絵里





 原題は「剥奪された淑女」
 ヒロイン:ダイアナ・コープランド(21歳)/伯爵家令嬢/金と赤の中間の髪の色,燃えるように赤い頬,傲慢なほどきっぱりともたげられた顎,挑むようなきらめきを宿した青空を思わせる瞳の色と金色の眉/
 ヒーロー:ガブリエル・フォークナー(28歳)/新ウェストボーン伯爵,3姉妹の後見人/力強い角張った顎,形の良い唇,高い頬骨と長く細い鼻梁,黒に近い青の瞳/
 シリーズ2作目です。8年前の1件。これがキーワードになります。さて,ヒロイン,ダイアナは自分が長女であり,11歳で母を失った後は自分が妹たちの母代わり,そしてショアレイ・パークの女主人として,とにかく父と妹たちを助け,自分のことは常に後回しにして生きてきました。後見人のガブリエルから結婚の話を聞き,結局は自分がその相手にならざるを得ないのだろうと覚悟していたようです。それにしても妹たちの相次ぐ出奔に,行き先はロンドンだろうと当たりを付けて家を出てきたダイアナ。大胆なことにロンドンのウェストボーン・ハウスに出向き,ガブリエルが帰郷する前に館の修繕をしていたのです。そして,ガブリエルとの出会い。想像していたのとは全く異なるガブリエルの風貌に,ダイアナは惹かれてしまうのです。ガブリエルは金と赤の中間の髪の色の気位の高そうな美女が3姉妹の誰であるかも分からないまま,一目で惹かれてしまいます。まさに運命的出会いでした。最も,始めに3姉妹の誰に出会ったにしろ,ガブリエルは惹かれていたでしょうが・・・。それほど,父の言いつけによってロンドンの社交界に一歩も足を踏み入れていない3姉妹の美貌の噂は,ロンドンでは知られていなかったのです。分別のあるしっかり者の長女としての十年間は,常に自分のことを後回しにして軽率で衝動的な行動を取ったり,父親や妹たちよりも自分のしたいようすることなど十の昔に忘れてしまったダイアナですが,ガブリエルに出会った瞬間,この人こそと思えるようになって行きます。かつて隣家の御曹司マルコム・カッスルとの付き合いがあったダイアナでしたが,父親が亡くなってその財産が手に入らないことが分かって心変わりし,金持ちの商人の娘ヴェラ・ダグラスと婚約してしまった苦い経験から,いずれにせよ後見人のガブリエルが自分を好きになるはずがないという気持ちが先立ち,それならいっそ自分がガブリエルとの結婚に踏み切ろうとしていたダイアナにとって,ガブリエルの気持ちに寄り添い,自分を好きになってくれるだろうかという不安の方が勝っていたことも事実です。ガブリエルは比類ない美貌の持ち主であるだけでなく,聡明で有能なようすのうかがえるダイアナとの結婚こそ,宿命だと思えるのですが,8年前のスキャンダルが邪魔をしています。当時自分の言い分を誰も聞こうともせず,スキャンダルだと決めつけた周囲の人とは異なり,ダイアナは正面切って8年前のことの真相を聞き出そうと質問をぶつけてくるのです。この明かな公平性にもガブリエルは感心します。そしてガブリエルの言葉を「その言葉を信じてはいけませんか?」と切り返してくるダイアナの誠実さにも・・・。「この娘がすでにそこまで深く僕という人間を理解しているとは」と,ガブリエルは驚きを隠せませんでした。
 そして二人の結婚公示が新聞にも出されます。これを妹たちは見るだろうか,そんな期待も含めて,結婚という未知の領域に踏み込むダイアナに不安は隠しきれませんが,「実際的で有能な一面の下に,情熱的で誠意あふれる若い女性を見出した」ガブリエルは結婚への期待が高まっていくのでした。反面8年前の裏切りにより愛を信じられないガブリエルとマルコムに裏切られて結婚に懐疑的になっているダイアナですが,ダイアナの気持ちは,しかしながらガブリエルを愛してしまっていることをうすうすは感じ始めているのでした。そして,やって来たガブリエルの叔母と話している内にダイアナたち姉妹の母と親友だったことが分かり,安堵します。いよいよガブリエルの母との出会い。二人のいわば便宜的な結婚が次第に本物の愛による結婚に向かって走り出します。互いに裏切られた経験を互いに支え合うことで乗り越え,二人がふたたび愛を取り戻すことが出来るでしょうか。
 ストーリーは妹捜しの方にも向かいます。そんな時次女カロラインとガブリエルの親友ドミニク・ヴォーンが訪ねてきたのでした。二人の愛にあふれた姿にダイアナもカロラインの行動を許すことにします。同時に自分とガブリエルの冷めた関係と比べてうらやましくも思うのでした。そして8年前のスキャンダルの真相,そして愛アナの元婚約者マルコムの訪問と立て続けにストーリーが進行していき,二人の気持ちはこれらの事件をとおして確実に深まっていくのでした。あとは末娘エリザベスの行方だけが残っていますが,読者にはすでにその行方は匂わされているのです。この当たりが作者の憎いばかりの仕掛けですね。


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