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スルタンと月の沙漠で [ケイトリン・クルーズ]

SHALOCKMEMO917
スルタンと月の沙漠で Undone by the Sultan's Touch 2014」
ケイトリン・クルーズ 漆原 麗





婚約者に裏切られ傷心の旅を続けていたクレオ・チャーチルは,砂漠の国ジュラートで,運転中に車の前に飛びだしてきた美少女を車に乗せる。その時,車の前に立ちはだかった男性はジュラートの国王ハリドだった。こうして出会ったクレオとハリドですが,二人の間には初めて会った瞬間から電気のようなものが走り,完全な一目ぼれだったのです。そしてハリドのプロポーズを周囲の人たちが疑問視する中,クレオは強行します。マスコミからはまさにシンデレラ・ストーリーとしてもてはやされ,国の人たちからもクレオは好意的に受け入れられていきます。砂漠のテントでの1週間のハネムーンの後宮殿に戻ったクレオに待っていたのは,昼はひとりぼっちにされ,秘書のスケジュールに沿って忙しい毎日を送り,夜はハリドが毎晩ベッドに来るという生活でした。しかし寝室は別だったのです。いつまでたっても仕事を優先し,自分はジュラートそのものだと主張するハリド。どんなひどい言葉を投げつけられてもハリドに一度触れられてしまうと進んで自分を投げ出してしまうクレオ。そして子供が出来てしまえばきっと自分は捨てられてしまうと思い込んでいるクレオは,ピルを飲み続けているのでした。ハリドに言い出せないまま・・・。やがて,計画的にハリドの元を逃げ出してバックパックを背負って南アに,さらにニューオーリンズに飛んだクレオ。ニューオーリンズを彷徨っているとき,ハリドが目の前に現れます。互いに愛し合いながらも過去に縛られ,国に縛られ,そして互いのプライドに縛られ,心を開き合えない二人。そんな二人のねじれた愛の姿を描きながら,自分を犠牲にしたり少しだけ主張を曲げることで互いに歩み寄り,幸せを得ることが出来るのだとする作者のテーマが見事に描かれた作品です。お勧めの一作。


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氷の富豪の愛人教育 [ケイトリン・クルーズ]

SHALOCKMEMO769
氷の富豪の愛人教育 Not Just the Boss's Plaything 2013」
ケイトリン・クルーズ 水月 遙





今月12冊目になる読了本です。月間10冊を超えたのはSHALOCKMEMOの記録を見ると2007年1月以来ですから7年8ヶ月ぶりとなります。何でこんなに今月がんばっちゃったのかというと,HQロマンスのセット版をKINDLEで購入したからだと思います。セット版,とても読みやすく,次はどうなるかという楽しみが特に月の後半に増したからだと言えるでしょう。来月以降もセット版購入を考えたいなと思います。
さて,本作です。「氷の富豪の愛人教育」というタイトルが内容に合わないと思います。原題の直訳は「ボスの遊び道具じゃなく」ですし,特に「愛人教育」の部分が?です。ヒロインは聖女と呼ばれるほどの品行方正な生き方をしているアリシア。表紙の女性がこのアリシアという名前にとてもよく合う,そして小首をかしげてヒーローの寝姿に見入る姿が,本作の内容をよく表していて素敵です。聖女アリシアですが,実は過去に手ひどく傷ついた経験があり,それがその後の彼女の恋愛観に大きな影響を与えていたのです。一方ニコライ・コロヴィンはかつてロシアの諜報部員としての経験を持ち,現在は財団のCEOとして慈善事業に従事している富豪ですが,人に愛されたことが亡く元妻のヴェロニカとの生活も殺伐としたものでした。それが,アリシアとの出会いで,思いやりや優しさに目覚め,初めてただ一人の人のために尽くすことをアリシアから学びます。プラハのパーティでのヴェロニカとアリシアの対決にも,アリシアが傷つかないか心配するニコライに,変わっていくのです。人から恐れられ,自らも野獣と認識していたニコライに対して,一歩も引かず,しかも過去の心の傷をいたわろうとするアリシアの愛にふれ,ニコライもまたアリシアを愛していることに気づいていくのでした。
タイトルの「愛人教育」が実は愛する人アリシアによるニコライの教育だったということなのでしょうか。


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放蕩王子と汚れなき秘書 [ケイトリン・クルーズ]

SHALOCKMEMO744
放蕩王子と汚れなき秘書 A Royal Without Rules ( Royal and Ruthless 3 ) 2013」
ケイトリン・クルーズ 遠藤靖子





かなり独立性の強いシリーズもの。それぞれの作家の特長が生かされていてこれはこれで面白いと思います。すでに「炎のドレスの誘惑ロビン・ドナルド)」は読了しているので,本作は2作目の読了となります。
舞台になるのはアルプス山中にある小さな国キッツィニア。架空の国ですがロマンス小説ではよくあるパターン。国王はまだ存命ですが,皇太子が皇太子妃を迎え,実質的に王権を引き継ぐ準備が着々と整っています。王室の結婚式まであと少し。ここで問題になるのは次男で王子のパトリシオ(パト)の存在。女性問題を初め次々とスキャンダルを起こす王室の厄介者。そこで皇太子は自分の秘書でしっかり者のエイドリアーナを結婚式までの間パトに張り付かせます。居室のベッドで複数の女性と居るところを見ても顔色一つ変えずに軽い警句を述べるエイドリアーナにパトはなげやりな態度をとり続けます。皇太子レイフを尊敬し,皇太子の命であれば何であれ全力を尽くそうとするエイドリアーナに,パトは挑戦的な態度をヒートアップさせます。しかし,二人の間にはこの時互いに惹かれ合う気持ちが強く芽生えるのでした。
ところで,エイドリアーナの実家リゲッティ家は,代々美しい女性が多く,これまでも曾祖母,祖母や伯母が王室の王子たちと浮き名を流し,王室を滅ぼす魔女の一家と言われてきました。エイドリアーナも幼少の頃からリゲッティ家の女性ということで謂われのない非難やいじめに会い続けてきました。そのため皇太子秘書となってからも,自分の気持ちを押し込め,ひたすら職務に邁進するという堅物女性と見られるよう心がけてきたのです。そんなエイドリアーナの気持ちを逆なでするようにパトは挑戦的にエイドリアーナに誘いを掛け,心の壁を崩そうとします。ついにイギリス訪問の王室ジェット機の中で,パトの誘惑に自分の気持ちを抑えられなくなったエイドリアーナ。その後二人の仲は急速に進展していきます。その中でパトはエイドリアーナに王室にまつわる究極の秘密を明かしてしまうのでした。それは,信頼の証であり,エイドリアーナはさらにパトへの思いを深くします。しかし皇太子の結婚式を明日に控えた日,いつものようにおやすみのキスを交わす二人は隠し撮りされた写真と,王室とリゲッティ家の過去のスキャンダルを強調した記事が翌朝のタブロイド紙に大々的に報じられてしまいます。両親から激しく非難されるエイドリアーナ。その時玄関のチャイムが鳴り,またパパラッチが来たのかと思い階下に降りようとしたエイドリアーナが見たのは,これまでの自堕落な姿から一変して軍服礼装に身を包み,護衛官を従えたパトの姿でした。パトを非難する父親を押しのけ,パトはエイドリアーナのところに堂々と進んできます。さて,パトはエイドリアーナを救うことが出来るのでしょうか。
美貌や容姿の美しさだけでなく,辛い過去を背負いながらも堂々と生き,そして深い愛をパトに捧げるエイドリアーナがとても素敵なヒロインとして描かれている秀作です。


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悪魔の館で恋を [ケイトリン・クルーズ]

SHALOCKMEMO710
悪魔の館で恋を (ウルフたちの肖像 2) The Shameless Playboy 2011」
ケイトリン・クルーズ 柿沼摩耶





「ウルフたちの肖像」シリーズの第2作はウルフ家の次男ルーカスがヒーロー。ルーカスも兄弟姉妹の父,故ウィリアム・ウルフから心の傷を受けてきた。持てるハンサムな容貌を生かし,名うてのプレイボーイとして世界的な名前を売っており,一族の経営する百貨店の経営陣に加わってはいるものの,働いたことはない。しかし,百周年を記念するイベントを催すに当たりその責任者として会議に参加する。イベントを取り仕切るのは,氷の女の異名を持つグレース・カーター。地味できっちりした如何にも仕事オンリーの服装を崩さないグレースは,アメリカで育った過去に,水着姿での雑誌写真を撮り,学費を稼いだ経験を持つが,母親をはじめ地域社会の人々から大きな非難を浴びた経験を持つため,常に自分を目立たなくさせる服装を崩さないで,自分の能力のみでイベント・マネージャーとしての経歴を築き,その自信を自分のよりどころとして来た。したがって,遊び人として浮名を流しているルーカスには決して自分を見せないようにしようとする。しかし,ルーカスは地味な服装の下に隠されたグレースの本質を見抜き,何とか本来の自分を取り戻させようとする。グレースはイベントの準備を通して,本当はルーカスはただの遊び人ではなく仕事をさせても多くの才能を持っていることに気づき,過去の出来事を乗り越えられるよう,ルーカスの心の傷を癒そうとする。二人の姿がマスコミに標的にされ,グレースは上司のチャーリーから首を言い渡されるのだが・・・。本来の自分の姿を取り戻したグレースとルーカスは,協力してイベントの成功のために力を尽くし,ルーカスは自分の所有するウルフ一族の館でイベントを開催し,兄のジェイコブと復活を約束する。


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