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庭師の娘の恋わずらい [メラニー・ミルバーン]

SHALOCKMEMO1378
庭師の娘の恋わずらい Engaged to Her Ravendale Enemy
( Ravensdale Scandals 4 ) 2016」
メラニー・ミルバーン 萩原ちさと





 原題は「彼女のレーヴェンズデールという敵との婚約」
 ヒロイン:ジャスミン(ジャズ)・コネリー(23歳)/ウエディングドレス・デザイナー/秀でた眉,アイスブルーともグレートも言える瞳,ほっそりした体つき,つややかなハニーブラウンの巻き毛,クリームのように白くなめらかな肌,完璧な口/
 ヒーロー:ジャック(ジェイク)・レーヴェンズデール(33歳)/コンサルチング会社社長/たくましい長身,濃紺(藍色)の瞳,厚い胸/
 「博士の密やかな誘惑(SHALOCKMEMO1333)」,「眠り姫の目覚め」と続く,レーヴェンズデール家の兄弟姉妹のロマンスの第3弾です。原作では第3弾は「The Most Scandalous Ravensdale」になっていますが,こちらはフリン・カールトンとキャット・ウィンウッドが主人公になっているため,先に本作が翻訳されたのでしょう。レーヴェンズデール家の長兄ジュリアスとホリーの結婚式が間近に迫り,ホリーのウエディングドレスのデザイナーである本作ヒロインのジャズがドレスのデザインのためレーヴェンズデーンに来ています。ジャズは第2作のヒロインのミランダの親友であり,ミランダと婚約者のレアンドロとも知り合いです。なにせジャズ自身がこのレーヴェンズデーンで幼少の頃を過ごしていたからです。つまり,ジュリアスの家政婦の娘であったホリーと同じように,ジャズも庭師の娘だったからです。なにか一族が狭い関係の中でまとまってしまっているのが本シリーズの特徴ですが,それだけに家族的紐帯が深まると,逆に言えば世界中に散らばっている家族からしてみれば,ノスタルジックな関係ほどまとまりやすいということを前提にしているのかも知れません。男性陣はみな学生時代の仲間ですし,女性陣もそれぞれの人生の中でかつて深く関わった人たち,しかもレーヴェンズデールの先代夫妻が超一流の俳優として名を成しているセレブであるがゆえに,家族を顧みずに自分勝手な人生を送っている人たちで,その子供たちはけっして両親のような結婚生活は送りたくない,いやもっと強く結婚そのものがおぞましいと考えている人たちなのですから。破綻した結婚の犠牲になった子供たちが愛を取り戻していくまでの心の葛藤を描くというのがこのシリーズの中心テーマなのでしょう。
 さて本作のヒーローのジェイクはまさしく,ハンサムでお金持ち,女性との関係は一晩以上は殆ど続かないものの,それでも順番を待つ女性は挽きを切らないという有様。自ら結婚はしない,子供も作らないと宣言している結婚恐怖症の男性です。双子の弟として真面目な兄ジュリアスといつも比較され,自由奔放に生きてきたものの事業では成功を収め,仕事と遊びも派手な性格です。そんなジェイクに憧れ,16歳で大人ぶってジェイクに迫った過去を持つのが庭師の娘ジャスミン(ジャズ)でした。その時はジェイクはジャズに対しては妹のような感情しか持っていなかったため,たしなめたのですが,それに傷ついたジャズはその後3度婚約して,3度とも相手に逃げられてしまう,しかも3度目のカレシとはまだ表面的には婚約中なのに相手が浮気をしてしまっているというかわいそうな状況にいます。ウエディングドレス・デザイナーとしてのキャリアを踏み出したばかりで,まだブランドを立ち上げるほどではないため,身近なジェイクのコンサルも受ければ成功間違いなしなのでしょうが,かつて自分を拒絶したジェイクにシッポをする気はさらさらありません。そんなジャズが,ジェイクをストーキングしている女子高校生からジェイクを守るために取った行動とは,ジェイクの婚約者の振りをするというとっさのでまかせでした。ジェイクもこのアイディアの効果を目の当たりにして,なんとか兄とホリーの結婚式までの間だけでも婚約者の振りをすれば高校生も諦めるだろうと期限つきの便宜婚約を承諾したのでした。ジェイク兄弟と10歳の年齢差のあるミランダとジャズですが,高校生からすれば大人びた姿態と美貌を身に付けたジャズは今では充分に女性としてジェイクの婚約者にふさわしい相手に見えたのでしょう。それからこの婚約を本物らしく見せるためわざとマスコミの前でそれらしく振る舞って写真に収まるようになった二人ですが,自信が16歳の時以来,ジェイクに憧れ続け愛し続けていたことを,そしてジェイクは決して自分を愛してくれることはないことを,引きずったまま,ジュリアスとホリーの結婚式の数週間前まで来てしまいます。その間二人の間の気持ちの高まりと深い関係があったものの,やはり将来がないと考えたジャズはジェイクの元を去るのでした。そして結婚式当日,ジャズのデザインしたドレスを着たホリーの美しさ,さらに愛し合う様子が誰の目にも明かなミランダとレアンドロの姿をみて,ジェイクはある決心をするのでした。
 第2作の「眠り姫の目覚め」も途中まで読んでいるのですが,読了したらコメントをアップするつもりです。その前に第4作の訳が出てしまうかも知れませんが・・・(笑)。今複数の作品を手当たり次第に平行して読んでいるので,なぜか逆に読了速度が愕然と落ちてしまっているので・・・。


タグ:ロマンス
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