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罠に落ちたシンデレラ [ダイアナ・ハミルトン]

SHALOCKMEMO1373
罠に落ちたシンデレラ The Kouvaris Marriage
( Wedlocked 46 ) 2006」
ダイアナ・ハミルトン 伊坂奈々




PB-184
16.11/¥700/156p

R-2257
08.01/¥680/156p


 原題は「クーヴァリスの結婚」
 ヒロイン:マデレイン(マディ)・ライアン(23歳)/造園家/淡褐色のつややかな巻き毛,ブルーの瞳,豊満な体/
 ヒーロー:ディミトリ・クーヴァリス(歳)/海運業者/長身,浅黒い肌,金色の目/
 2006年のHQロマンスがもう再刊されるなんて早すぎませんか。その前にもっと再刊すべきものが沢山あるように思うのですが。またKINDLE化も更に推し進めてほしいものです。
 さて,本作は夫婦者です。両親に愛されずに育った名家の一人息子ディミトリは人生を冷めた目でしか見られないギリシアの上流階級意識の強い独身の叔母に育てられます。二人の出会いはマディの学生時代からの無二の親友アマンダ夫妻の開いたパーティでした。互いに一目で惹かれ合った二人。しかし,一介の造園家で裕福でもない自分がモデルの親友とは異なって男性に気に入られる体型をしておらず,男兄弟の中で育った自分は,どちらかというと女性には頼られる存在であったので,事業家として大成功を収めている名門出身のゴージャスなディミトリが自分を気に入るとは思ってもみませんでした。ところが数日後に自分の家に帰宅したときディミトリがリラックスして両親とキッチンで話しているのを見て驚きます。しかも翌日プロポーズしてきたのです。互いに何も知らないのに結婚できるわけがないし,パーティでディミトリの腕にぶら下がるようにしていて,いずれ婚約するのは時間の問題だろうと噂されている,イリニという美女の姿をマディも見ていたからです。イリニの存在が二人の結婚生活に大きな影響を与えるだろうとはこの時はマディも想像もしていませんでしたが,イリニからはなんとなく敵意が感じられたのでした。
 簡単な結婚式を挙げ,アテネの大邸宅にやって来たマディは,そこにイリスがいて我が物顔で振る舞っているのを目にします。そして決定的な言葉,「いずれ子供が出来たらあなたはディミトリにすてられるのよ」を残して帰っていきます。さらに叔母のアレクサンドラ・クーヴァリスからはことあるごとに身分の低さ,ギリシア語もできない役立たずと罵られます。これらはいつもディミトリの目の届かないところで行われるのでした。三ヶ月後,決意したマディはディミトリの留守中,書き置きを残してイギリスに帰っていきます。ところが飛行機と列車を乗り継いでやっと真夜中に家にたどり着くと,すでにディミトリは車の中で待っていたではありませんか。自家用ジェットを使えることをマディは想像もしていなかったのです。そして夜遅くだからと近くの安宿に連れて行かれ,マディはディミトリに脅迫されます。もし自分と一緒にギリシアに帰らなければ,両親は家を失い,兄たちの職場もなくなるだろうと・・・。何でも自分の思いどおりにしてきたディミトリがそれだけの社会的影響力を持っていることはマディにも分かっていました。仕方なくディミトリの言いなりにならざるを得ないマディでしたが,心とは裏腹にマディの体はディミトリに触れられただけで熱く燃えてしまうのでした。そして,していなかった新婚旅行を改めて行うという言葉どおり1カ月の予定で連絡船も通らない孤島の別荘に連れて行かれてしまいます。徹底的に自分を大切にしたがるディミトリとの間にやはり愛があるのかと思いかけたマディですが,すでに妊娠していることを医師から告げられ,大きな喜びとともにディミトリが一度も自分を愛しているといったことはないことに気付きます。さらに叔母とイリニから告げられた言葉がマディの胸のしこりとなっていました。そしてアテネに帰った二人の元に,相変わらず叔母の冷たい言葉と,イリニからの緊急電話があります。マディが待ってと言うのを振り切ってディミトリはイリニの元に行ってしまうのでした。その時マディは気を失ってしまいます。流産かと恐怖を感じたマディですが,過度のストレスによるものと分かり,このままディミトリとの生活を続けていくわけにはいかないと思うマディですが,ディミトリが病院にやって来たのは3日後のことでした。しばらくはリラックスすることが胎児にとって大事なことだという医者の指示に従い,しぶしぶディミトリとともに家にたどり着いたのですが,叔母はディミトリによって家を離れることになってしまっていました。マディと叔母の間に何か不穏な空気にやっと気付いたディミトリは再びマディが家を出ることをなんとしてでも避けたいと思っていたのです。そして,二人の間には冷たい空気が流れつつも,ディミトリは何くれとマディの世話を焼いてくれます。二人の間の互いに打ち明けていない事情,それはいつどんな風に解消されるのでしょう。
 骨太なストーリーと二人の内面が丁寧に描かれることによって,読者はすっかりダイアナ・ハミルトン・ワールドに引き込まれていってしまいます。一気読み間違いなしの秀作です。


タグ:ロマンス
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一瞬で恋して [ローリー・フォスター]

SHALOCKMEMO1372
一瞬で恋して Morgan
( Buckhorn Brothers 2 ) 2000」
ローリー・フォスター 佐々木真澄




HQB-429
12.03/¥70/266p

P-242
05.01/¥980/378p
T-387
01.08/¥725/188p


 原題は「モーガン」
 ヒロイン:ミスティ・マローン(24歳)/ハニーの妹/ダークブラウンの髪,かすれた笑い声,大胆で社交的,すっきりした鼻,高い頬骨,小さく丸みを帯びた顎,バービー人形のように豊かな胸と細いウエストすらりとした脚,小ぶりで丸みを帯びたヒップ/
 ヒーロー:モーガン・ハドソン(34歳)/町保安官/ブルーの瞳,力強くすっきりした顎の線,荒々しく削られた頬,/
 シリーズ第2弾はハドソン家の次男モーガンと義姉ハニーの妹ミスティのロマンスです。「霧に包まれた」という意味のミスティという女性,まさになにか秘密を抱えている愛らしくセクシーな美女にモーガンは一発でメロメロになってしまいます。同時にミスティの秘密をなんとしてでも解き明かし,守り抜きたいという決意を持ちます。愛らしく美しいだけでなく,頑固で独立心に飛んだミスティにモーガンはとりあえず住む場所と仕事を与えますが,保安官事務所の秘書的な仕事をさせるだけでも結構説得が必要でした。しかも事務所にやって来ている奉仕作業員の二人の老人も,若い保安官助手もすっかりミスティに丸め込まれてしまいます。さらにミスティは将来の自立のための資金を得たいという理由で夕方4時から事務所の近くのキッチンで接客の仕事まで請け負ってしまうのです。兄の妻の妹に手を出してはいけないと初めはモーガンも考えているのですがミスティの魅力には逆らえなくなり,「君が欲しい」と正直に話します。ミスティもまたモーガンの無骨ながら周囲の人たちや動物への限りない愛情深さを目の当たりにして,尊敬の念と信頼とを感じていくのです。そしてハドソン家の男性陣との気軽な雰囲気に,ハニーとともに父から認められなかった幼少時代を送った彼女に取ってみればこの町も,そしてハドソン家もとても居心地の良い場所になっていたのでした。ミスティの秘密,それは自分が妊娠していることでした。そして父の命によって恋人となっていた男性からの手厳しい裏切り。追われてきたのはきっと元婚約者か?でも妊娠したことを打ち明けたときの冷たい言い方からしてそうではないはず。働いていた店で売り上げを盗んだと言いがかりをつけられ,300ドルの少額で訴えられ,有罪判決を受けたこと,その2重の苦しみをモーガンには話してしまうのでした。そこから保安官としてのモーガンの活躍が始まります。お腹の子供も含めて丸ごとミスティを愛していこうと決意したモーガンを止められるものはもはや誰もあり得ません。まさにカウボーイハットをかぶり危機を救いにやってくるローン・レンジャーというイメージのモーガンの活躍が光ります。どんな姿をしても愛らしく美しいミスティと男らしいモーガンの取り合わせが,以外と読者の共感を生む作品です。そしてミスティをマローンと名字で呼ぶモーガンのシャイなところもかわいいですね。


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蜂蜜より甘く [ローリー・フォスター]

SHALOCKMEMO1371
蜂蜜より甘く Sawyer
( Buckhorn Brothers 1 ) 2000」
ローリー・フォスター 伊坂奈々




HQB-406
11.11/¥650/238p

P-242
05.01/¥980/378p
T-385
01.07/¥725/188p


 原題は「ソーヤー」
 ヒロイン:ハニー・マローン(25歳)/社長令嬢/大きなブルーの瞳,なめらかな肩,豊かな胸,金色の髪,魅力的なヒップ/
 ヒーロー:ソーヤー・ハドソン(?歳)/医師/浅黒い肌,漆黒の髪,ダークブラウンの瞳/
 追われて車で事故を起こしてしまった美女を引き取ることにしたハドソン一家。ケンタッキーの田舎に住むバックホーン・ブラザーズ・シリーズの幕開けです。魅力溢れる個性的な兄弟4人と少年の住むハドソン家。車が湖に突っ込んだのを目撃した医師のソーヤーとその息子ケイシーが発見し,助け出したのは金髪で青い目のプロポーション抜群の美女でした。土地の風習に従いハニーと呼びかけるソーヤーに対して「なぜ私の名前を知っているの」と警戒する女性。実は本名がハニーだったとは・・・。かつて妻に裏切られ,利用され,二度と女性に深入りしないと決めていたソーヤーですがハニーを見た瞬間深入りしてしまいます。それほど魅力的なハニーですが,自分の魅力には気付いていないようです。「妹の方がもっと美人よ」。女子であったために父親に認めてもらえなかったハニーは自分に対する自信がもともと欠如していたのかも知れません。そして婚約者のオールデンに裏切られ,家を飛びだしてきたハニー。そのハニーが痛々しいほど華奢でか弱そうに見えるのに,次の瞬間には野良犬のようにたくましくなれる意外性を発揮し,ハドソン家に徐々に馴染んでいきます。ハニーが抱えている秘密とは・・・。ハドソン家の次男モーガン保安官はハニーに対する疑いを抱きます。そして追われていることを聞き出すのですが・・・。
 開業医のソーヤー,保安官のモーガン,獣医のジョーダン,便利屋のゲイブ,そしてソーヤーの息子ケイシー。5人の男の中に入り込んだ一人の女性の困惑ぶりとソーヤーへの愛,家族愛を自分の秘密から守ろうと頑固になって家を出ようとするハニーの心の葛藤を描いたシリーズ第1作です。果たしてハニーを付け狙う男たちは誰の手先か・・・?そしてソーヤーとハニーは結ばれるのだろうか。ハニー姉妹の父親との関係は改善するのだろうか。などなどロマサス風な???も満載な楽しみな作品です。本作はそれぞれ文庫でも出ていますが,今回はハーレクイン・プレゼンツの合本版KINDLEで読んでいます。以下4作目までが上下2巻に収められていますので順次読んでいきたいと思います。シリーズは現在7作目まで翻訳が出ているようです。ハドソン家の5人以外に誰がヒーローに?そうか,従兄弟たちもいるんですね。なお原作の方は第8作目が出たばかりのようです。いずれ翻訳がでるでしょうね。またショートストーリーも何作か出ているようです。詳細は作者ページで。


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