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甘美な至上命令 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO913
甘美な至上命令 The Argentinian's Demand 2014」
キャシー・ウィリアムズ 松尾当子





ボス・秘書もの。個人秘書エミリー・ディキンソンが就いたボスはレアンドロ・ペレス。元秘書のマージョリーから引き継いで18カ月,今朝は辞表を手にややゆっくり目に会社に出勤した。その理由は,寿退社。しかし,突然の辞意にボスのレアンドロは詳しい理由を聞くまでは辞表を受理することは出来ないという。ちょうど数週間後に大きなプロジェクトの仕上げが必要だったからだ。こんな流れで始まる本作ですが結局それまで秘書としてしか見ていなかったエミリーを女性として意識し始めたレアンドロが,結婚するというのに幸せそうに見えないエミリーに対してどんなアプローチをしていってエミリーの気持ちを自分に向けていくかというあの手この手がストーリーの中心です。そしてレアンドロと離れがたくなったエミリーが婚約者に婚約解消を通告するのですが,レアンドロがエミリーが自分を裏切ったと感じた理由が何とも振るっています。これは予想外でした。その後二人の関係が拗れてしまうのですが,最後のハッピーエンドまでの捻りが無理があり,ちょっと尻切れトンボになってしまっているのが少々残念です。しかし,まぁとにかくめでたく終わって良かったという感じの最後でした。


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大富豪の奥手な恋人 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO865
大富豪の奥手な恋人 Bedded at the Billionaire's Convenience 2008」
キャシー・ウィリアムズ 槇 由子





イギリス,デボン州に住む小学校教師ジョージーはちょっと変わり種の女性です,小学校教師らしく子供たちが抱きついたり汚したりしても良いような服を常に身につけ,活発で明るい性格。そして思いやりの心を失わない女性ですが,考えるより行動してしまうところもあり,憎めない存在です。隣家に住む,といっても田舎の隣家ですので歩いてすぐ生ける距離ではありませんが,ニューマンさんの息子ピエールはロンドンで会社を経営する富豪ですが,ジョージーの両親とピエールの両親はもともと仲が良く,ピエールがロンドンに行ってしまってからは,すでに亡くなったジョージーの両親の替わりに,ピエールの母親ディディがジョージーの面倒を見たと言っても過言ではありません。しかし,時が経ち,ディディも次第に衰えを見せてきて,逆にジョージーがディディの生活を見守っているようになっています。ある日,ロンドンのピエールの元にジョージーが押しかけてきて,ディディの様子がおかしい,ついては自分とピエールが付き合っているという話になっているので・・・と驚くようなことを言うではありませんか。この時の二人の会話,そしてジョージーの心の声,ピエールの心の声,このコミカルな二人の行動とやりとりに,読者はすっかり乗せられてしまいます。もう,そこからは一気読み必死。思いつきで始まった二人の関係が,ディディの思いや,周囲の人々との関係で次々に発展してしまい,ついに二人が恋に落ちてしまう,というスピード感あふれるコメディタッチのロマンスになっていきます。ちょっとシェイクスピアの喜劇をみるような,イギリスの田舎を舞台にした笑劇。楽しめます。


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無防備すぎる情熱 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO833
無防備すぎる情熱 Secrets of Ruthless Tycoon 2014」
キャシー・ウィリアムズ 萩原ちさと





アイルランドの片田舎の小さなパブを父から譲り受け,経営に苦労しながら細々と暮らすブリアンナの元を訪れたのは,自分を捨てた母ブリジットを探す世界的企業の経営者レオ・スペンサー。レオは母の情報を得るため,離職した作家だと嘘をつきパブに長期滞在します。信じられないほど人間を信じ込んでしまうブリアンナとそんな彼女に惹かれてしまうレオ。雪に埋もれた片田舎で1週間に渡る二人の生活の中で,すっかり関係を深めてしまう二人ですが,偶然にも母ブリジットが病院に運ばれ,退院後パブで療養することになります。しかし,ちょっとしたことでテーブルの角に頭をぶつけて倒れてしまった母を,驚異的なスピードでヘリコプターを呼び大病院に運んで入院させてしまったレオの本当の姿を知ったブリアンナは,レオに嘘をつかれていたことを知り,愕然とします。初めから自分と永久的な関係を持つつもりはないとわかっていたものの,関係の深さからひょっとしてという気持ちを抱き始めていたブリアンナは,だまされていたことに深い失望の念を抱くのでした。
自分を捨てたと思い続けてきたレオはブリジットに会い,子供と離ればなれにならざるを得なかった状況を知り,母を許す気持ちを持つのでした。そして愛することが出来るようになったレオはブリアンナにどんな申し出をしていくのか。ラストの展開への期待と,ブリアンナの純粋無垢な深い愛に感動を覚える秀作です。


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無慈悲な愛人命令 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO817
無慈悲な愛人命令 Enthralled by Moretti 2014」
キャシー・ウィリアムズ 町田有鈴





[At His Service]ミニシリーズの一作。富豪アレッサンドロ・モレッティは8年前,チェイス・エバンスに惹かれ何度かデートに誘ったが,カフェでカプチーノを飲んで話をする程度のつきあいしか出来なかった。そして,それは,チェイスが自分には夫がいるという告白であっさりと打ち切られてしまった。自分に惹かれない女性は居ないと思っていたアレッサンドロにとっては,それは衝撃的で完結されていない唯一の女性とのつきあいだった。8年後,自分が再開発しようとしていた地区に頑強に居座る女性保護シェルターの無料弁護士と対決しようと会議室に赴いたアレッサンドロが出逢ったのは,そのチェイスだった。チェイスもまた彼の出現に驚き,アレッサンドロの会社との対決を決意していた。
チェイスとのやりとりに一応の勝利を得たアレッサンドロですが,チェイスを誘おうとしてもすげない断りの言葉しか出てきません。シェルターの存続をえさになんとかチェイスとの関係の復活を企てるアレッサンドロですが,そのやり方のずるさ,いえ,巧みさにはちょっと吐き気を覚えるほどの強引さがあります。そしてアレッサンドロのイタリア(ジェノバ近郊)の家にチェイスを誘うことに成功したアレッサンドロですが,返ってチェイスの方が積極的に彼を求めてくる様子に驚きながらも,二人に将来は無いことを確認するアレッサンドロでした。チェイスが突然弁護士事務所に退職願を出し,アレッサンドロにお金を貸して欲しいと言ったとき,チェイスの抱える秘密を初めて疑わしく思うのでした。そして,チェイスの家を訪れたアレッサンドロは衝撃的なチェイスの告白を聞くことになるのです。ついにチェイスの秘密を聞き出したアレッサンドロはウソつき呼ばわりしてチェイスから去って行きます。チェイスは自分を無価値なものとして切り捨てる彼に憎しみの気持ちを持つのでした。
そして,事務所を去る日,チェイスは再度アレッサンドロにすべてを,自分の気持ちも含めてすべてを彼に告げる決意をして,彼の家を訪ねるのでした。そこで語られるチェイスの心の叫びが,「無慈悲な愛人命令」というタイトルに,二重に意味でつけられていることがわかります。二人の気持ちは通じ合うのでしょうか。心の奥に潜む愛をいつもテーマにしているキャシー・ウィリアムズの特徴がよく現れている作品です。


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隠された富豪の素顔 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO793
隠された富豪の素顔 In the Banker's Bed 2005」
キャシー・ウィリアムズ 上村悦子





14歳の隠し子の体調管理のために雇われたフィットネスクラブの理学療法士メリッサ。体調管理だけではなく,チチオヤエリオット・ジェイと娘ルーシーの親子関係の修復にも務めることになってしまう。初めは反発してルーシーでしたが,心を砕くメリッサと,努力しようとするエリオットの姿に次第に打ち解けてくる。2週間の休暇を取って島で過ごしたエリオットとメリッサ,そしてルーシーと友人。することのないメリッサにエリオットはメリッサに惹かれている自分の気持ちを打ち明け,メリッサもその気持ちに応える。
いわゆるシンデレラ・ストーリーですが,思春期の娘の体重コントロールのためにわざわざ理学療法士を雇うという発想そのものが,ちょっと現実離れしているように思ってしまいます。でも,富豪の発想というのは,常識では考えられないものですね。


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無償の恋人 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO764
無償の恋人 His Temporary Mistress 2013」
キャシー・ウィリアムズ 片山真紀





ヒーローはIT企業を中心とする企業経営者ダミアン・カーヴァー。ヒロインは美術教師ヴァイオレット・ドルー。ヴァイオレットの妹フィリパはダミアンの会社でIT技術者として働き始めたのですが,男にだまされて企業秘密を漏らしてしまいます。会社を解雇されただけではなく犯罪者として告発されようとしています。両親を亡くした後,姉妹二人きりで苦難を乗り越えてきたのですが,ヴァイオレットはフィリパにとっては姉でもあり,親代わりとしても生きてきました。生来の愛らしさを自覚し,次々と男性を乗り換えてきたフィリパに対してヴァイオレットは,自分が妹に比べて男性を惹きつける魅力に欠けていると自覚し,まじめに生きてきました。初めフィリパが謝罪に来たのだと勘違いしていたダミアンは,ヴァイオレットが現れたことに驚きます。そしてフィリパのしたことが会社に与えた損害を賠償するか,それが無理なら検察に告発し,自分のしたことの責任をとらせるつもりだと冷たく言い放ちます。なんとか穏便にと考えてぎりぎりの思いで会社を訪れたヴァイオレットですが,ダミアンには事情を考慮して妹を許すつもりがないことを思い知らされます。意図的にしたのではなく男にだまされたことを強調したヴァイオレットですが,一歩も譲ろうとしないダミアンの言葉にあきらめて社長室を出ようとしたところで,ダミアンはヴァイオレットに意外な提案をします。自分の母親が癌にかかり手術間際であること,そして母親の納得するような伴侶候補を連れて行くことが治療の上でも有効であること,という理由で偽装の恋人にならないかという提案でした。
ここまでは,ロマンス小説ではありがちなテーマです。初めは偽装でもいずれは二人の間に気持ちの高まりが見られ,大概男性の方が「愛」という言葉を言い出せないで一度は別れるが,なんらかのきっかけで再び出会い,男性も「愛」の言葉を告げてハッピー・エンドというのがパターンのように思います。本作では母の手術と治療というエピソードに加えて,ダミアンの障害を持つ兄の存在があります。教師であるヴァイオレットにとっては,これは特に問題でもありませんでした。しかもダミアンの兄のドミニクは車椅子での生活ではあるものの,頭もよく,はにかみ屋ではあるもののとてもしっかりした人だったからです。かつての恋人にこの兄の存在で別れを告げられたダミアンが「愛」を信じなくなったのもうなずける理由です。そして母と兄にすっかり気に入られたヴァイオレットですが,遂にはダミアンから「愛」の言葉を聞くことができずに別れようと言い出します。そして,治療のためにロンドンにやってきた母から会いたいと連絡を受けて訪れたダミアンの家で元恋人がダミアンに寄り添っていたところと出くわすというお約束の出来事で二人の別れは決定的に・・・。という予想どおりの流れになるのですが,ここからダミアンがとった行動は意外でした。先が見えそうなパターンどおりの作品だけにあっという間に読み終えてしまいました。しかも最後のダミアンのとった行動もきっぱりしていてとても気持ちよく読了できます。
原題の「Temporary」を「無償」と訳したところに,訳者の苦心が見えます。


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キューピッドの罠 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO723
キューピッドの罠 Hired for the Boss's Bedroom 2009」
キャシー・ウィリアムズ 萩原ちさと





少し前の作品になるが,整理の過程で面白そうだと思い,読んでみました。ヒロインの絵本挿絵画家がヘザーとだけ示されていて,結局最後までフルネームが分かりません。これがまず意外でした。ヒーローはワーカーホリックのレオナルド(レオ)。ロンドンで実業家として活躍していますが,別れた妻との間に一人息子ダニエルがおり,小学生。ダニエルは祖母キャサリンの下で田舎で育てられています。レオは週末ごとに田舎の家に訪れてはいますが,ダニエルはなかなか心を開いてくれません。ある週末田舎の家を訪れたとき,ダニエルやキャサリンが近隣の家に住むヘザーと楽しく交流しているのに出くわして狼狽します。ただのご近所さんだと思っていたヘザーが魅力的に見えたからです。元妻のソフィアはすでに故人になっており,二人の結婚は完全に失敗に終わり,ダニエルだけが残されたのですが,レオも意識しないまま仕事に逃げ込んでいたことをヘザーに指摘され,腹を立てるとともにヘザーを意識するようになります。ヘザーは通常のロマンス作品とは異なり,ちょっとポッチャリ型の女性。モデル体型の都会型の女性とは正反対の,いわゆる田舎丸出しの女性なのですが,母キャサリンも息子ダニエルも不思議とヘザーには心を開いているようなのです。しかも食事の会話中,ヘザーは経済問題にも相当な知識を持っていることにレオは気づき,次第にヘザーに対する興味が増していきます。一方ヘザーも元夫との結婚に失敗しているのですが,結婚後仕事を理由に次第に自分から離れていったことに心を傷を負っていました。レオに男性としての魅力を感じつつも,仕事人間のレオはいずれ去って行くものという先入観から抜け出せません。あるとき,キャサリンがはしごから落下して足を骨折してしまいます。興奮するダニエルをなだめつつレオに連絡を取り病院に付き添っていたヘザー。レオは驚異的な速さでロンドンから帰郷します。そして互いの魅力に目覚めた二人は・・・。互いの過去の心を傷をかかえつつ,新たな出会いで二人がそれを乗り越えていくストーリーをキャシー・ウィリアムズは見事に捉えています。


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