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恋人を演じる一夜 (4姉妹の華燭の典 3) [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO734
恋人を演じる一夜 The Billionaire's Trophy (4姉妹の華燭の典) 2013」
リン・グレアム 春野ひろこ





シリーズ3作目は,前作の双子の姉妹エミー(エメラルド)とギリシア人コンピュータ開発業者バスティアン(セバスティアン)とのロマンス。妹の結婚式に一緒に参列してくれるパートナーをコンパニオン・エスコート・サービスのウェブページで見つけたバスティアンはその女性が自分の会社のインターンであることを指摘され興味を持つ。高額の謝礼を払いギリシアまでの同行を承諾させ,自分の部屋に呼びつけた女性に,一目惚れするが,あくまでビジネスとして考えて欲しいと言うバスティアン。一方エミーは,双子の姉サフィー(サファイア)と幼い頃から比較され,自分がいつも2番手であることにコンプレックスを抱いてきた。さらに交通事故により足に傷を持ち,難しい手術のおかげで今では普通の暮らしが出来るようになったとはいえ,サフィーに対する劣等感は簡単に消えはしなかった。しかもサフィーは誰もが認めるスーパー・モデル。自分が美しいなどとは全く考えてもみないエミーだった。サフィーという双子の姉妹の存在を知らないバスティアンはエミーを美しい女性だと思い,恋人リラとは婚約を解消したばかりだった。エミーは勝手に自分の写真をウェブページに載せた母に写真とデータの削除を求めるが,のらりくらりと話をはぐらかされたあげく,高額な足の手術費用を払った見返りをするべきだと平気で要求してくるような母に,改めてがっかりする。
しぶしぶギリシアへの同行を承諾したエミー。しかしバスティアンの男性としての魅力に逆らえずに二人は一夜をともに過ごす。結婚式で花嫁の付添人を務めるたのは,バスティアンの元婚約者リラ。リラはエミーに敵対心を持ち,バスティアンとの関係が終わっていないことを強調する。なんとか結婚式のパートナーは務めたものの,バスティアンの将来を何も約束していないエミーは失意のうちに帰国する。数週間後,体調の変化に気づいたエミーは検査薬で妊娠を知る。第1作でキャットの経営する湖水地方のBアンドBにエミーが帰ってきて,妊娠を告げるシーンがあったが,これで繋がったわけだ。バスティアンが父親になることを知らせなければフェアでないと考えたエミーは,メールで連絡する。そして悦びの返信が来たことで,希望を持つ。しかし,バスティアンと会って,プライドを傷つけられることを言われ,二人は口論となる。なんどかこんなことを繰り返し,また,誤解やすれ違いを繰り返しながらも,二人は互いを想う気持ちを抑えられなくなっていく。
エピローグでは,4年後,ここまでパートナーを見つけた人たちがバスティアンとエミーの結婚記念日に集合し,子供たちも加わって賑やかに大団円を迎える。さて,最後に残ったトプシーは,どんなロマンスを見せてくれるのか。


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熱砂にさらわれて(4姉妹の華燭の典 2) [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO733
熱砂にさらわれて The Sheikh's Prize (4姉妹の華燭の典 2) 2013」
リン・グレアム 平江まゆみ





シリーズ第2作。双子の姉サファイアがヒロイン。18歳の時結婚し,1年で離婚した相手,マラバーンのザヒールは,今は国王となっている。モデルとして撮影のため訪れたマラバーンの砂浜から,サファイアは誘拐同然に砂漠のテントへと連れて行かれる。底に待っていたのはザヒールだった。過去の結婚生活は,父王の乱心からサファイアを救うため,ザヒールが苦渋の決断をしたためであったが,サファイアはその事情を知らず,ただザヒールに捨てられたと思っている。そして,二人の夫婦生活がうまくいかなかったのにも,サファイアの身体的問題があったのを,ザヒールに隠していた。今やスーパーモデルとして活躍するサファイアだが,双子の妹を事故で傷つけてしまい,そのことで自分も心に傷を負ったことを話せないでいた。しかし,父王亡き今,ザヒールにはどうしてもサファイアとの関係を戻したいと願っていたその機会が訪れたことを生かそうと決意していたのだった。ザヒールの仕打ちを許せないサファイアだが,ザヒールの魅力には勝てないと知る。離婚後,カウンセリングを徹底して受け,精神的な問題は解決したと考えていたサファイアは,ザヒールを逆に誘惑しようとする。その事を不思議に思ったザヒール。やがて二人の誤解がいろいろな出来事を通じて徐々に解消されていく。
最終的には,二人の関係は修復され,二人は再婚することになるのだが,サファイアの妊娠がわかり,不妊治療を受けている姉のキャットに申し訳ない気持ちも抱きながら,マラバーン国の王妃としての生活を始めることになるサファイア。妹エメラルド(エミー)との関係もなんとか氷塊していく。シリーズ2作目で,4姉妹が少しずつ伴侶を見つけ,関係が深まっていく面白さと,エミーや末妹がどんな相手と知り合うのか,そして母との関係はどうなっていくのかという期待を膨らませられる良著。


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純粋すぎる愛人 [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO730
純粋すぎる愛人 (4姉妹の華燭の典 1) A Rich Man's Whim 2013」
リン・グレアム 霜月 桂





女優の母親が次々に父親を変えて産んだ4姉妹のロマンス。第1作の本作は長女のキャットがヒロイン。キャットの異父妹は3人いるが,次妹は双子でサフィーとエミー。双子だがサフィーがカリスマ・モデルとして成功しているのに対して,エミーは事故で片足が短くなってしまい,コンプレックスをもっている。末妹も父親が違い,学生として寄宿学校にいる。キャットの父親が残したBアンドBを運営しているものの,近年客足が遠のき,借金も抱えているところに,エミーが妊娠したといって帰ってくる。ある吹雪の日,3人の男性客が突然現れ,一人は怪我を負っている。3人のうちの一人が,本作のヒーロー,ミハイル。ロシア人の石油王で長身,ハンサム,富豪と3拍子そろったカリスマ男性。キャットは妹たちの面倒を見ているうちにいつしか35歳のハイミスになり,宿の経営で疲れ切った様子でいるが,そんなキャットにミハイルは美しさと,これまで自分の周りにいた女性と違う魅力を持っていることに気づく。数日後,ミハイルはキャットに借金を肩代わりし,1ヶ月間自分のクルーザーでパートナーとして客をもてなしてくれれば,宿も君の名義にしようと言って,BアンドBを買い取ってしまう。この契約には体の関係はないようにという条件をつけて,キャットは背に腹はかえられないと承諾し,クルーザーに向かう。
超豪華なクルーザーで客を迎えたキャットだが,笑顔で会話するキャットの様子に腹立たしさを覚え,自分のものにしたくなるミハイル。二人の関係は契約とは異なり,深いものになっていく。その時からミハイルを愛するようになるキャットだが,ミハイルは自分の両親の結婚の失敗から,女性との永続的な関係はしないと誓っていた。ミハイルはキャットから離れられなくなるものの,自分の気持ちを押し殺していく。1ヶ月後,いよいよクルーザーを降りる日,キャットは?,ミハイルは?
ヒロインの年齢が35歳である点や,ヒーローが5歳も年下である点など,設定が少し変わっているが,それがヒロインの悩みにもなり,物語に深みが出てきて面白かった。シリーズ第1作としては,まずまずの作品。原題の"whim"は「気まぐれな」という意味で,まさしくミハイルの心境を表す言葉になっていて,こんなはずではなかったと,徐々にキャットに惹かれていくミハイルがなんかかわいく見えてしまう。


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未婚の母になっても [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO637
未婚の母になっても Contract Baby 1998」
リン・グレアム 槇 由子





 母の手術費用を稼ぐため代理母になることに承諾したポリー。しかし,そんな思い切った行動をとったものの,母は亡くなってしまい,残ったのはお腹の中の子供。愛情深いポリーはこれまで注いできた母に対する愛情を,生まれてくる赤ん坊に注ごうとするのは当然のことではないでしょうか。そこで,依頼主であるラウルから逃れるために,友人のところに身を隠します。ベネズエラの富豪であり,子供は欲しいが結婚はしたくないと堅く思っているヒーローのラウル。二人の間に生まれた息子ルイスは果たしてどちらの手元に…。
 そんな設定の本書ですが,ポリーもラウルもどちらも幼少期の親の愛情に恵まれずに育った過去をもちます。しかし,男であるラウルは代理母候補者であったポリーのことを人の手をつかって徹底的に調べ,女であるポリーはラウルのことを直感的にしか理解しようとしません。そんな構図がラウルの愛情を信じられないポリーの行動に表れ,そんな行動をとるポリーをラウルも理解できないというストーリー展開に発展していく,ロマンス小説でありがちな展開になっていきます。
 原題の[Contract Baby]は直訳で契約上の赤ちゃんとなります。それを「未婚の母になっても」とポリーの立場で邦題にしているのですが,「代理母になっても」としてしまわなかったのは,ハーレクインにとっては,ちょっと露骨な邦題になってしまい,売り上げに影響するのを避けたのでしょうか。


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一夜のシンデレラ [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO608
一夜のシンデレラ The Vengeful Husband 1998」
リン・グレアム 漆原  麗





震災後,なかなか読書環境が整わず,精神的にも無理がたたっていましたが,本作で久しぶりに一気読みをしました。
 リン・グレアムのロマンスですが,設定としては,再会ものとシークレット・ベビーものを組み合わせた作品です。
 ヒロインのダーシー・フィールディングは父に残された歴史的建造物を大切にしていますが,継母のマーゴから早く遺産になる建造物を売りはらってしまうように,暗に陽にちくちくといじめられています。父の遺言では,遺産を相続するには結婚して半年以上夫婦としてすごさなければ遺産を受け取ることはできないとされています。
ダーシーには,数年前にヴェネツィアで出会った男性との間に一粒種のヴェネツィアがいます。しかし相手の男性の素性も,名前すら知らないままヴェネツィアを離れてしまったため,父親を娘に会わせることもかないません。
 ヒーローのジャンルカ・ラッファカーニ(通称ルカ)はイタリアの名門一家の相続人で大金持ち。数年前に一晩だけ付き合った女性が自分の元を去るとき,家宝の宝石を盗んだという証拠を持っており,その宝石を追って数年間苦労してきました。やっと相手がわかったとき新聞に変わった広告,つまり夫を求める広告を見つけ,その広告の主が自分の宝石を盗んだ相手だということが分かります。事情を隠して広告の主のところを訪ねたルカは,ダーシーと再会するのですが・・・。
 二人の状況的なすれ違いと互いを求め合う気持ちのギャップを作者は見事に描き切っています。このずれの面白さ,緊張感,そしてロマンスの妙。これらが本書の読みどころであり,大団円では読者をほろりとさせます。小編にして二人の気持ちの動きを見事に描き切った力作です。


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スペインのシンデレラ [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO561
スペインのシンデレラ The Spanish Groom 1999」
リン・グレアム 漆原 麗





元訳は2000年3月刊のハーレクイン・ロマンス(R-1364)。
 バルベルデ銀行の若き頭取セサル・バルベルデは,ハンサムな風貌と富裕なため,女性からはいつも注目されているものの,両親から愛情をそそがれずに育ったため,傲慢で,何事も数字や金で解決しようとするイヤな男。唯一セサルに愛情を注いでくれたのは名付け親のジャスパーだけでした。そのジャスパーが,心臓に持病を持ち,療養していたときに献身的に仕えてくれたのは,何をやっても失敗ばかりするディクシー・ロビンソン。義理の姉の借金を返済するためにできる仕事はいくつもやろうとするディクシーですが,まさしく失敗ばかりで何をやらせても周りに迷惑をかけるばかりで,次々に職を失ってしまいます。ジャスパーの肝いりで銀行の事務員に採用されますが,ここでもコピー一つまともにできない有様です。
 遠くスペインに暮らすジャスパーが心臓の手術をしなければならないという知らせが届いたとき,セサルはジャスパーが最も望むことをしてあげようと思い,結婚して落ち着いた姿を見せようと考えます。どんな女性でもより取り見取りのはずのセサルが相手として選んだのは,ジャスパーの世話をしてくれそうなディクシーでした。ディクシーは自分の容姿や能力に自信がないため,どんな人でも素敵な一面があり,その良い面を見ようとします。セサルに呼び出されて,自分と偽りの婚約をするか,即刻銀行を首になるかという選択を迫られたディクシーですが,傲慢と思えるセサルに腹を立てつつも,セクシーなセサルに惹かれている自分に気付き,とりあえずスペインのジャスパーのもとに一緒に行くことにします。
 純真でセサルに腹を立てつつもセサルに言われることをなんとかこなそうと努力するディクシーのコミカルな発想と一つ一つのディクシーの言動に新鮮さを感じ,知らず知らずの間に愛情を感じ始めるセサルのやり取りに,思わずニヤリニヤリさせられながら,読者は本書にのめり込んでいってしまうのです。
 バイプレーヤーとして,ジャスパーやディクシーの義姉ペトラ,隣人スコット,犬や金魚などまでが絡んできてワイワイガヤガヤ騒動が起きるのですが,それらがすべて二人の愛の完成に向かって突き進んでいくというストーリー展開の素晴らしい一書です。


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