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ボスはクリスマス嫌い [ミシェル・ダグラス]

SHALOCKMEMO1104
ボスはクリスマス嫌い Snowbound Surprise for the Billionaire 2014」
ミシェル・ダグラス 外山恵理





「君にふさわしい人間になるためには復讐を諦めなければならない。最初はそれが嫌だった。でも,僕は自分の人生に誇りを持ちたい。」父の復讐のためにドイツに逃亡したビール・ブリューワーのミューラーに復讐することを目的として生きてきたヒーローのフリンは,アデレイド(アディ)の何事も前向きに考え,風景や歴史的建物,冬の季節などあるがままのものに感動する地に着いた生き方に自分の半生を反省し,こんな風に愛を表すのです。本当は優しさと思いやりに満ちたフリンの本性を自らの素直な目で見抜いていたアディもまた,フリンを愛していました。「いら立ち,恐れ,自分を恥じる気持ち,そして寂しさ。」そんなフリンの気持ちに対して,「ありったけの愛,幸せと誇り,喜びと満足感」をアディから受け取ったフリンもまた,オーストラリアの農場に帰ってきたのです。「お帰りなさい。私のものは全てあなたのものだから,ここはあなたの家ですもの。世界で一番素晴らしい家にするわ」というアディの言葉にその決意のほどが表れています。ダイアナ・パーマーを思わせる,この結末はストーリーの大半を占めるミュンヘンでの二人の休暇もどきの旅行の記述と共に本作の最大の魅力です。「ボスはクリスマス嫌い」だったのではなく,クリスマスの過ごし方を知らなかったのですね。灼熱のオーストラリアと同時期の冬のミュンヘンの対比もあり,スケールの大きなドラマチックなクリスマス・ストーリーです。オススメの作品。


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無垢な天使の祈り [クリスティン・リマー]

SHALOCKMEMO1103
無垢な天使の祈り Holiday Royale
( Bravo Royales 5 ) 2013」
クリスティン・リマー 長田乃莉子





 [Bravo Royales]シリーズの1作です。前作,前前作はこれから読もうと思います。モンテドーロ公国のブラボー=カラブレッティ家のプリンス,プリンセスたちのロマンスを描いています。9人のプリンス,プリンセスたちがいるようなのでまだちょっとその関係がつかめないでいます。本作のヒーローはプリンス・ダミアン。プリンセス・アリスはダミアンの妹でその婚約者ノア・コーデルの妹が本作のヒロイン,ルーシー・コーデルです。ルーシーは先天的な心臓の疾患により入退院,手術を繰り返しやっと健康体になった23歳。服飾デザイナーを目指して専門学校への入学を目前にしている11月下旬の感謝祭の季節からクリスマスにかけての約ひと月の物語になります。ルーシーの天然とも言える無邪気な発言や意外と大人っぽい考え方からして,彼女の中に詰まった魅力にダミアンが気付かないはずがありません。そして兄から子供扱いされたりボーイフレンドに言い寄られないのは,じぶんがまだ子供とみられていると考えたルーシーは,憧れのプリンスで兄の婚約者の兄という身近な存在であることから自分の初体験の相手をして欲しいと,とんでもない依頼をするのです。発端は思いがけないことでしたが,ルーシーの意外に割り切ったさばさばした物言いから,ダミアンはそれに巻き込まれまいとするのですが,遂に誘惑に負けてルーシーとの関係を深めてしまいます。そして感謝祭休暇が終わってニューヨークに帰ったルーシーを追いかけるようにクリスマス間近にニューヨークを訪れるダミアン。本来兄の仕事である会議への参加を買って出てルーシーに会うためにニューヨークのフラットにやってきたのでした。ここでの5日間,二人は幸せな日々を過ごします。しかし別れは必ずやってくる。結婚生活には自分は向かないと思い込んでいるダミアンは愛を告白するルーシーの想いに応えきれずに帰国してしまうのでした。義弟になる予定のルーシーの兄ノアの言葉や,かつて付き合っていたヴェスヴィアからの言葉に刺激を受けたダミアンは,例え,プリンスの地位を投げ捨てでもルーシーとの愛を求めるのでしょうか。
意外性と純真さ,そしていつも物事に感動し世界が幸せにあふれるように自然に考えられるルーシーの自然体のすばらしさにきっと誰しも惹かれていくことでしょう。まさにNiceHeroineの典型です。さすがクリスティン・リマーと言えるオススメの作品です。


タグ:イマージュ
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