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愛人以下の花嫁 [ダニー・コリンズ]

SHALOCKMEMO1102
愛人以下の花嫁 The Sheikh's Sinful Seduction
7つの愛の罪 2) 2015」
ダニー・コリンズ 水月 遙





シリーズ第1作「満たされない大富豪(SHALOCKMEMO1031)」は秘書ボスものでしたが,第2作の本作はシークものです。クアマラ国王ザフィルの妹アミネはクアマラの隣国の国王に嫁いで深い夫婦愛に恵まれていますが,ザフィルの前妻サディラとは政略結婚で1子タリクを設けて癌で亡くなってしまいます。アミルの娘たちバシラ,ユマナの家庭教師として雇われたのはファーン・ダヴェンポート。高給をもらいながら,砂漠の国で英語を教えていますが,ザフィル,アミラ兄妹はイギリス人の母の元で幼少を過ごしており,姉妹の子どもたちも英語はペラペラです。でもイギリスの文化を忘れさせたくないと考えるアミラ夫妻はあえてファーンを雇ったのでした。雇い主と家庭教師という関係というより友人同士という関係にあったのです。ザフィル父子とアミルたち家族は砂漠のオアシスで休暇を過ごしており,そこにファーンも同動します。ザフィルの本名はシーク・イブン・アーマド・アルラキン・イラムというクアマラの名前と,いずれイギリスのソマトン公爵位も継ぐ立場にありました。一方のファーンは一介の家庭教師で,母から男性との付き合いに対する過度の罪悪感を植えつけられて育ち,男性に惹かれるのは「悪いこと」と思わずにはいられない古風な考え方の持ち主でした。しかし,ザフィルの圧倒的な男性的魅力には完全に惹かれてしまい,自分にそばかすがあることや家庭教師らしい見栄えのしない服装でいることでザフィルには相手にしてもらえないと思い込んでいます。ところが,あるとき,遊牧民の少女が盲腸炎にかかった様子を見つけたファーンがザフィルにすぐに病院に運ぶべきだと本気で訴えたことからザフィルのファーンに対する見方がすっかり変わってしまいます。なんと勇敢な女性だろう。これまで自分の命に逆らった女性などいなかったのに,内気のように見えていたファーンが本気で自分の考えを主張するのを見て,ファーンの魅力に改めて感じ入ってしまいます。そして二人の関係は急速に進展するのでした。アミルの娘たちばかりでなくザフィルの息子タリクもまたファーンには親しみと尊敬の念を抱いている様子。関係を持った二人のその後は・・・。そして帰国後,ファーンの妊娠が明らかになります。半年後,アミルからファーンの様子が変だと聞いたザフィルはファーンを探しだし,そして妊娠を知るのでした。一応誰の子かとは聞きますがファーンの口からあなた以外はあり得ないでしょうと言われて,すっかりその言葉を信じ,結婚を申し込むザフィル。自分を愛しているからではなく子供が欲しいからそんなことを言うのだとファーンはがっかりし,すぐにプロポーズを承諾しないのですが,ザフィルのイギリスの母と祖父の住む屋敷で,ファーンはなぜザフィルが愛していると言ってくれないのかを実感することになります。伝統的なアラブの国で外国人女性を妻とすることができなかったザフィルの父親。婚外子として生まれ,国王となるために自分も政略結婚で国の有力貴族の娘との縁談が国を維持するのには必要だという状況にあったからです。しかし,ファーンとの結婚を選択したザフィルの気持ちに応えよう,そしてなによりザフィルと離れて暮らすことに耐えられなくなっている自分に「イエス」と言わざるを得なくなっているファーンでした。幸い,縁談問題はうまく解決し,タリクから「お母さん」と呼んでいいかと聞かれたファーンは幸せに浸るのでした。
親の世代の複雑な国際結婚の問題点を乗り越えられるか,という点にストーリーの焦点をあてた作品です。それにしても,ザフィルへの愛,無条件の信頼を素直に表現するファーンがとても愛らしく描かれた作品です。


タグ:ロマンス
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永遠のイブ [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO1101
永遠のイブ The Winter Bride 1997」
リン・グレアム 上村悦子





アンジーは13歳のころからレオに憧れを抱いていました。そして19歳の時,あるチャンスがやってきます。妻と子供を事故で亡くしたばかりのレオに身を投げ出し,妊娠したのです。しかし執事の娘である自分がレオと結婚することなどできないことだと思っていました。ただ,愛児を失ったレオを慰めたくて妊娠を望んだのでした。ところがレオの従兄弟のドリューがここに割り込んできます。レオに捨てられたアンジーは,ぐうたらなドリューと毎夜のように遊び歩き・・・。ドリューとアンジーの間には何の関係もありませんでしたが,レオはそれを誤解し続けていきます。そしてある夜,屋敷の貴重品を盗み続けてきたのが自分の関係者であると知ったところをレオに見つかり,窃盗犯はアンジーだと決めつけられてしまい屋敷を出ざるを得なくなるのでした。そして愛息ジェイクを出産したアンジー。それから1年半あまりたったころ,突然アンジーの元をレオがやってきます。アンジーを探し続けてきたというレオ。家政婦兼ナニーをしていた雇い主に話を付けレオは自分のフラットにアンジーを連れて行き,さらに昔の屋敷にアンジーとジェイクを連れて行くのでした。ジェイクがレオの息子だといつ言ったらいいのか?レオの祖父はいつそれに気付くのだろうか?自分の父はそのことを秘密にしていてくれるだろうか?そんな不安な気持ちのままのアンジーでしたが,再びレオに会い,見つめられるだけでとろけてしまう自分に,レオへの愛は消えていないことに気付き,でもこれからもどうしようもないことだと言い聞かせるアンジーでした。
クリスマスイブが,本作のクライマックスですが,邦題の「永遠のイブ」はここから来ているようです。原題が「冬の花嫁」という味も素っ気もないタイトルですから,この邦題はGoodですね。そしてアダムであるレオをイブであるアンジーが誘惑したという意味が示されているようです。そして12月24日が誕生日であるアンジー。アンジーの本名は「エンジェル」?。


タグ:ロマンス
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