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デイジー・メイ [エマ・ダーシー]

SHALOCKMEMO1266
デイジー・メイ The Impossible Woman 1985」
エマ・ダーシー 小谷正子




HQSP-92
15.07/¥540/200p

I-0404
88.01/¥520/156p


 原題は「不可能な女」
 舞台:シドニー郊外
 ヒロイン:ジュディ・キャンベル(22歳)/造園師/可愛らしい,身長150センチ,大きな青い瞳,カールした長いまつげ,天井を向いた鼻,顎のとがったハート型の顔,淡い金髪/
 ヒーロー:マルコム(マル)・スチュアート(30歳代)/建築家/緑色の悪戯っぽい目,ハンサムというより人目を惹く非凡な顔立ち,広くて高い頬骨,筋の通った鼻,大きな口もと/
 「デイジー・メイ」は昔のコミック漫画に出てきた美女の名前,と説明されています。これって実在?よく分かりませんが,まぁ人形のように愛らしい女の子と言うことでしょう。22歳なのに,しかも造園師という男勝りの仕事をしているのに,この容貌で大分損をしているようです。芝植えに行った豪邸で出会った日雇い労働者のような風貌の男性に芝植えを手伝わせてしまいます。それこそ,この家の家主で建築家で有名なマルコム・スチュアート,通称マルでした。障害を持つ弟を抱えていますが両親と仲良く愛のある家族と過ごしているジュディは,22歳でまだ男性経験はありませんが,おとぎ話に出てくるような結婚相手を待っている女性です。そんなおとぎ話などあり得ない,というのが原題の「Impossible Woman」になっているのでしょうか。ところがこの日雇い労働者のような男性に一目ぼれしてしまうジュディ。30歳前後だと思われるのですが,初対面の男性にかつてもったことのない惹かれる思いをもってしまったのです。まさに運命の出会い,それはマルコムの方もそうでした。両親の不幸な結婚生活を見て育ったマルは,結婚という形式を嫌いこれまで独身をとおしてきたのですが,デイジー・メイのようなジュディにはすっかり惹かれてしまったのです。物怖じしない,しかも造園に関してはプロの知識を持つ不思議な魅力をジュディに感じたマル。マルはその日のうちにディナー・パーティにジュディを誘います。そしてマルの書斎に入り込んでしまったジュディは,マルが単なるマルコムではなく,あのマルコム・スチュアートだと気付き,騙されたと思います。一人の人間としてみて欲しかったので敢えて君の勘違いを質そうとはしなかったというマルの言い分にかすかな期待を抱きはするものの,マルの所属する社会的環境と自分の環境のあまりの差に怖れを成してしまうジュディ。しかしディナー・パーティに誘われ,一日だけでもそれに浸ってみたいという思いを振り切れず誘いに乗ってしまうジュディです。そしてそのパーティでマルコムに執拗に迫るパーティの主宰者の妻ヴィヴィアンやジュディの愛らしさにいやらしい目を向けてくる小父さんに嫌気がさしつつ,撞球で父から仕込まれた普通の人には出来ないワザを見せつけて溜飲を下げるジュディ。しかし作家夫妻の気取らない,しかも愛にあふれた姿に憧れを抱くという収穫はありました。その後,スチュアート家の庭の造園を担当し,見事な腕前を見せたジュディにマルコムはますます惚れ込んでいくのですが・・・。ついに深い関係を持ち「愛している」と互いに告白し合う二人ですが,マルコムは結婚だけは決してしないと釘を刺し,庭の完成と共に別れを告げ,帰宅して泣き崩れるジュディ。
 翌日,契約終了のため父を連れてスチュアート家を訪れ,事務的に処理しようとするジュディ。そこに小説家夫妻のハガン夫妻が訪れ完成を祝ってくれるのでした。ハガン夫人ルースはスチュアートが建築中の大規模建築の庭園部分の造園をジュディに担当させるために骨を折ったことを聞かされるのですが,ジュディは「あなたからの仕事は欲しくない」ときっぱり断ります。このジュディの潔さがとても見事です。そして数日後,食事中のキャンベル家をマルコムが訪ねてきます。娘の決断を尊重するとマルコムを追い返そうとする父に感謝しているところに,マルコムはさらに爆弾発言をするのですが・・・。
 普通は持てる才能を恵まれない容色が邪魔をするという設定が多い中,恵まれているがために才能を認められないという希有な悩みを抱え,しかし敢然と夢を追求するジュディの潔さに拍手を送りたくなる傑作です。HQSP版のモデルさんは自然の中で生き生きと見える美女ですがちょっと大柄な感じがします。それに対してHQB版の方が小柄で若々しいジュディの感じが良く出ているように思います。


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ひと月の恋人 [ジェシカ・ハート]

SHALOCKMEMO1265
ひと月の恋人 Cinderella's Wedding Wish
( In Her Shoes 2 ) 2009」
ジェシカ・ハート 湯元リカ





 原題は「シンデレラの結婚式での望み」
 ヒロイン:ミランダ・フェアチャイルド(?歳)/派遣社員,倒産した会社の娘,3人姉妹の真ん中/澄んだグリーンの瞳,真っ直ぐな背中,きめの細かい肌,涼やかな顔立ち/
 ヒーロー:レイフ・ナイトン(35歳)/「ナイトン・グループ」会長兼社長/ダークブルーの目/
 恋愛ベタな二人の恋の顛末です。ヒロイン,ミランダが自分の上司であるレイフに対して歯に衣を着せぬ発言をばしばししていくのが快く,ついつい読み進んでしまう快作です。美人3姉妹の中で唯一父の事業の失敗の責任を取ろうとする姉妹の真ん中ミランダが健気で素敵です。自分に自信が無いミランダですらレイフから見てすこぶる美女であるとすると,姉のベリンダと妹のオクタヴィアはどれだけすごい美女なのでしょうか。おそらくタイプの異なる美女ということなのでしょうね。MB版の表紙がミランダが少なくともスタイル抜群で嫌みの無い自然な美しさを持つ美女であることを伺わせます。ふつう3姉妹がいればそれで3部作となるのでしょうが,今のところこれは続編が見当たりません。
 自分の美貌に自信の無いミランダを親友のシェフ,ロージーの後押しや二人をあたたかく見守るレイフの祖母エルヴィラの助言で,心を開いていく二人。そして終盤レストランでスパゲッティをレイフの頭から掛けて捨て台詞を残して去るミランダの潔さが読者をスカッとさせる場面など,ちょっとした舞台劇のような設定のオススメ作品です。


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