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花嫁の告白 [フィリス・ホールドーソン]

SHALOCKMEMO1311
花嫁の告白 Father in the Middle
( Fabulous Fathers 13 ) 1994」
フィリス・ホールドーソン 小原まみ




K-402
16.05/¥670/156p

L-693
96.02/¥610/156p


 原題は「父親真っ最中」
 ヒロイン:タマラ・ヒューストン(24歳)/小学校教師/身長150センチ,ブラウンの瞳/
 ヒーロー:クレイトン(クレイ)・ラトレッジ(30代後半)/口腔外科医/金色が買った茶色の瞳,黒髪/
 17歳で市長の息子の子を妊娠してしまったタマラ。出産後両親から見放されて娘を養子に出されてしまい,その後大学で学び,今は小学校教師を職業としているタマラ。24歳になり,その後出産した子供がどうしているかが気に掛かり,探偵事務所に所在の確認を依頼します。「今になって急に生みの親が現れ,子供を返せなどと言われたら,ほんと許せませんよ」という探偵の言葉に必死の思いを伝えるタマラの「取り返そうなんて気はありません。人目だけ娘を見ることが出来,大切に育てられているかが分かれば,それでいいんです。」という切ない言葉が探偵の胸を打ち,ひたすら連絡を待ち続けます。自分自身が遅く両親から生まれ(母41歳,父46歳の時),銀行頭取の父,教会秘書の母からすれば,未婚の母になることなど当時世間体が悪いとしか思えなかったのです。結局高校2年を未婚者用の施設で送り,高校3年の時に復学し,大学に入学したのでした。両親とはその時以来会っておらず,時々連絡を取る程度。完全に自立して生活を送ってきました。しかし自分の産んだ娘の現在がどうしても気に掛かり,8日目にあった連絡を元に,娘の両親の住む家を密かに探し当てたのでした。アイオワ州エームズからサンアントニア市に住む口腔外科医クレイトン・ラトレッジ,建築家アリシア・ラトレッジ夫妻というのが娘を引き取った養父母でした。娘の私立学校に見学と称して訪問して顔を合わせたり,飛び込みで養父クレイトンの病院に治療に行ったりといろいろ挑戦しているうちに養母が1年前に亡くなり,娘メアリー・フランセス(フランシー)の住み込みナニー兼家政婦を短期で捜していることを突き止めます。思わずタマラはこの募集に挑戦してみる気になってしまいます。実際に会ってみて,探偵に言った「見るだけでいい」という約束を破ることになってしまいますが,もう自分の気持ちを抑えることは出来ませんでした。そして亡き妻を愛しており他の女性を愛する気はないというクレイの言葉に傷つきながらも,タマラは一目会ったときからクレイを愛するようになってしまうのでした。クレイもまた一緒に住み始めたタマラに対してかつての妻とは違った意味で惹かれてしまいます。その純真に子供に接し方や小柄ながら女性らしい体型,そして率直に話しをする態度に好ましさ以上の気持ちを抱きつつも,その気持ちが妻を裏切ることになりはしまいかという罪悪感を抱き,何度かタマラに解雇通告しようとするのですが,その都度うまくいかない事情が出てしまいます。そしてクレイは両親の家にタマラを連れて行き,家族に紹介すると,兄から独身の若い女性との同居に懸念を告げられ,反論してしまいます。やがて,タマラとの間に心の交流が避けがたいものになり,プロポーズするのでした。短期間の交際期間,そしてフランシーがタマラに絶対の信頼を寄せていることから,幸せな3人での生活が始まります。この生活を根本的に破壊する一本の電話があるとも知らずに・・・。それはクレイの弁護士からでした。フランシーの実母が探偵を雇って娘の居所を探し出し,タマラが出産した施設の非常勤職員が金を受け取って情報を漏らしたというものでした。実母の名前がタマラ・ヒューストンだと聞いたとき,クレイの中に裏切られたという強い怒りの気持ちが抑えられなくなります。帰宅した夫の突然の感情的な言葉に驚いたタマラは,ついに秘密を知られてしまったことに愕然とします。その後家を飛びだして帰宅しなかったクレイに,気持ちを傷つけてしまった後悔の念と,このまま家を出てしまえば,再び母を失うというフランシーのこころの傷になってしまうことを恐れ,タマラは夫との二人の関係をなんとか修復しようと決意するのですが・・・。タマラはクレイの気持ちをほぐし,幸せな結婚生活を続けていけるのでしょうか。
 なんともやりきれない切なさを残しながら,果敢に愛を貫いていくタマラの姿に読者は感動を覚えます。イチオシの作品です。


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